求められる迅速な情報公開とマスコミ報道のあり方
しかしながら、なぜこのような大きな騒ぎになったのかというと、先ず言えることは、NHKが大体二日間にわたり、表紙代わりに出した映像です。NHKというのはああいう癖があるのですね。中越沖地震というとあの煙もくもくの映像を毎回出すわけですね。日本人ならまだ解るのですが、あの火災は2時間後には消化していますけれども、スペインでは、NHKが毎回、毎回放送するから、二日位後でもまだ消火していないという放送をスペインのテレビはやったそうです。これはアメリカに行った時に、アメリカの友達から聞いたので嘘ではないだろうと思います。
それからイタリアのサッカーチームが日本へやって来るのを止めたというのは、みなさんご存知ですね。それから事もあろうに、ソ連は日本海の水をサンプリングして放射能が出ていないかを調べたそうです。このようなお話が出てきていますが、なぜかというと、きちんとした説明を国民にしていないからです。いつの間にか、それが東京電力から話がなかったという声になっておりますが、これは酷い出鱈目だろうと思います。東京電力の諸君は、今言ったように、止めるとか、この火災にしても、消火に行ったけれども、水道の配管が全部破れていて、1m位しか水が出なくて消火出来なかったわけです。
化学消防車がなかったというのは手落ちだと思いますけれども、それで、消防に連絡しようとしたが、それが連絡場の扉が地震で壊れて10分間位の間、開かなかった。そういうことで、10分位連絡が遅れた。しかし消防が来たのはそれから1時間ちょっと後だった。不思議なことですが、消防は人を助けたり、町の中のことで忙しくて消火には行けないということだった。これは仕事の順番が逆ではないか、消防ですから、先ず火事を消しに行くことが先だと思いますが。道路が壊れていて来られなかったかもしれませんけれども、そういうことを初めは言っていても県は、ピタッとそういうことは言わなくなりました。むしろ事業者から連絡がなかったからという話になる。また、安全委員会、原子力安全・保安院にはすぐに情報は入っていますし、現在原子力発電所は全部停止した、現在冷却をしている、何度までになったということをどんどん発表していれば、当然マスコミも伝えていただろうと思いますが、そういった痕跡はありません。
恐らく一番初めに問題がないだろうと報道したのは、地震翌々日の読売新聞、朝刊です。現状がまだなにも解っていないところで恐れ入りますがと取材を申し込んできたので、私は、停まっているのではないのか、あまり情報は持っていないけれども、という話をしたらすぐに調べて、その次の朝に、三日目の朝ですが、読売新聞にそういった記事が出ました。それ以降読売新聞は全然ぶれておりません。
ですから「言わなかったこと」、これは行政の責任です。行政の責任ということは、総理大臣も選挙があったかもしれませんけれども、安倍総理が現地入りしたのは間違っています。災害だったら、総理官邸で指揮をとらなければいけないです。防災訓練でもそのようにやっておられますが、何を思ったのか、のこのこ柏崎までいらっしゃいました。そして「災害は甚大である」とおっしゃいました。県知事もそれに乗って不安だ、不安だと言われたわけです。被災した地方が不安だと言えば、他県民がその後旅行に行く筈がありません。そうしたら今度は風評被害が困る、困ると言っているのですが、これは県知事の態度が悪かったのではないかと思っています。
また、経済産業大臣も東京電力の社長を呼んで、お叱りになるとか、全電力会社の社長を集めて化学消防車を待機させろとか、どうもピントがずれたようなことが行われたものですから、それに力を得たマスコミが10日間、放射能が漏れた、漏れたと言い続けたのです。原因はそのようなところにあったと考えております。私はそういうところが今からの勉強点ではないかと思っています。
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