さて、次の(図8)お願いします。
同じ臨界事故でも東海村JCO臨界事故と北陸電力志賀1号機臨界事故はどう違うのかについてです。JCOはもっともっと小さなもので、しかもタンクの中のウラン溶液の暴走でしたが、大きな違いはどこかということです。志賀原子力発電所の場合は、原子炉の中に小さな原子炉が出来たわけですから、五重の壁という遮蔽体があり、なおかつ住居とは随分と離れていますから、これは住民の方に対してご迷惑はお掛けしていないわけです。
ところがJCOは臨界の起きないようなタンクの中にじゃぼじゃぼとウランの溶液を入れていったために起こったわけです。この作業者はこの図のような状況でタンクの中に入れていったわけです。普通は臨界が起きない工場ですから、遮蔽体を作っておりません。
従って、住宅地の近所で臨界が起きたから避難騒ぎも起きた。この作業者二人は原子炉のすぐ側に体を寄せてウラン溶液を入れていたわけですから、お気の毒なことに放射線の被曝を受けて亡くなられたわけです。
臨界事故というものは、説明してきたように極めて良く解っているわけです。
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