原子炉を「止める」「冷やす」「閉じこめる」機能は健全に作動
地震発生とともに7機ある柏崎刈羽発電所のうちで4機が運転中でしたが、それが全部きちんと止まりました。「止まる」ということは制御棒がきちんと原子炉の中に下から上へ入り込んだということです。制御棒は1基に180本、それの4倍ということで大体700本が全部きちんと入った。反対派の人に昔よく言われたのですが、BWRは地震がきて制御棒が入らなかったらどうなるとよく責められたのです。しかし、このように全部が入るんだ、そしてその信頼性、ものを造る信頼性は非常に高いということが言えるのだろうと私は思っています。外国の方々もアメリカの方々もその点は非常に良かったと評価していると言っておられるわけです。
その次に、「冷やす」という操作ですけれども、これは原子力発電所の温度というのは、300度ぐらいで、大量の水がありますから、原子炉が停まったからといって直ぐに冷えていくものではありません。お風呂の水とは違います。そして原子炉の中には埋もれ火のようなディケイ・ヒートというのがあって、これは放射能が出す熱ですけれども、ずっと冷やしてやらないといけません。20時間位かかります。地震発生と同時に発電所の職長さんは所員と運転員を集めて、これだけの頑丈に作られているのに、これだけの地震がきた。発電所敷地の外へ出たら何が起こっているか解らないぞ、家のことも心配だろうけれども我々のやることは、きちっとこの原子炉を冷却することだ。みんな覚悟せい、飯も食えないかもしれない、交替も来ないかもしれない、だけどやろう、ということでやってくれたようです。しかし、こういうことは一つもマスコミの人は言わない。私は本当に表彰しても良いくらいだと思います。外国の人はこの話を聞いて、外国人だったら直ぐ電話を取って、「ダーリン無事か!?」と聞くだろうと、そういうことをしない日本人というのは、どういう民族なのだろうかということを言っております。どの機械にしても、制御棒にしても壊れているかどうか解らない中で、ですから非常に忙しい状況で冷却を全てきちんとやってくれたということは、尊敬して良いと思います。
ですから、「止める」、「冷やす」という裏にはそういうことがあったわけです。「閉じ込める」というのは、先ほどのプールの水は、原子炉の中の水とは違います。原子炉の水は全く出ておりませんので、この三つは完遂したというわけです。評価としては、私は想定した3倍の大きな地震がきた、それを我々がそれを初めから解っていなかったということについては十二分に反省の余地がありますが、しかしながら、その3倍の地震に原子力発電所が耐えた。原子力発電所はそれほど頑丈に造られているものです。これは泊発電所も同じですから、どうぞその点ではご安心ください。平成5年の北海道西南沖地震、あの震源地は奥尻島青苗と泊との中間点でした。しかし泊発電所はびくともしませんでした。ところが奥尻島の青苗地区は、地震直後に巨大津波がやってきて、大変な災害を受けたわけです。泊発電所は非常にきちんと造られていると考えいただいて良いかと思います。
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