
これは、先ほどお話ししたことですが、「石油や石炭の税金が本当に上がるの?」という人のために「本当です」ということをお伝えするための資料です。原油・LNG・LPG・石炭はこれだけ値段が上がることになります。

ここで問題なのは、環境税は所得分配に非常に影響するという点です。特に低所得者層や地方にすごくしわ寄せが来ます。なぜかというと、エネルギーの値段が上がるわけですが、エネルギーは生活必需品ですね。お風呂に入る、電気を点ける、テレビを見るなど、生活の大事な基礎であるわけです。

エネルギーの値段が上がるときに、節約できる余地がどれだけ残っているかを考えると、一番所得の低い年収345万円以下の人は、節約する余地が少ない暮らしをしています。エコ生活です。そうなると、量を減らすことができないので、エネルギーの値段が上がった分はそのまま支出の増加になります。ですから、負担率を見ると、所得の低い人たちが一番困ることが分かります。
例えば、消費税を導入しようとするときに「食料品は免税にしてほしい」と皆言いますね。それは所得の低い人が困るからです。しかし、環境税というのは、所得の低い人により厳しく課税するのに、このような配慮がありません。その上、課税によって得た税金は太陽光パネルの補助金として使われ、高所得者層を支援する結果になります。それが実態です。
涙ぐましい努力をするのは、その次に所得の低い年収345〜463万円の人たちです。ギリギリまでエネルギーを使う量を減らそうと努力します。「たばこ税が上がったから節煙しよう」というのと同じです。

日本の所得分配はこういう形です。今お話しした年収350〜450万円の人たちは、左から4、5番目くらいの位置にいます。昔はこの山がもう少し中央に寄っていたはずです。ところが、格差拡大によって平均所得以下の人たちが6割以上もいます。環境税は、いわば「弱きをくじいて強きを助く」という政策です。 |