北海道エナジートーク21 講演録

 
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エネフィーメール21
 
北海道エネルギー環境教育研究委員会

’13新春フォーラム「再生可能エネルギー」の可能性と課題
【第一部】
特別講演「再生可能エネルギーの光と影」

(4-3)

再生可能エネルギーの現状と課題

 

電力配分

 この図は、日本の電力配分を表しています。下のほうにベース電源があり、緑色で示された原子力は現在ほとんどゼロです。代わりに液化天然ガスがここに位置づけられています。

 いわゆる新エネルギーは、この図では上のほうにある表皮のような部分です。前政権が目指していたエネルギー政策では、この皮みたいなところを、下にあるベース電源のようにもっと大きくしましょうという話でしたが、現実的に考えて、果たしてそれができるのかが問題です。

電力配分

 これは3.11以前の日本の電力構成です。循環型エネルギーは日本では10%くらいだといわれていました。その中で水力が9%、風力や太陽光は0.4%ぐらいです。現在はこれらをどんどん伸ばしていこうという話になっています。

太陽光発電

 僕の考えとしては、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの研究は今後も続けていくべきだと思います。そして、もっと増やしていくべきだと思います。

風力発電

 ただ、例えば太陽光発電の場合、夜はどうするのか、あるいは曇りの日や雨の日はどうするか。同様に風力発電についても、風が足りなければ発電できないわけです。

 太陽光発電、風力発電とも、メリットとしてはCO2を出さないこと。デメリットとしては、エネルギー密度が低いことと自然条件に左右されることなどです。

水力発電

 また、水力に関しては、『黒部の太陽』という映画で知られる黒部ダムを例に取ると、最大出力で33万kWぐらいです。つまり原子力発電所1基あたりを100万kWとすると、その1/3ぐらいにしかならないわけです。ですから、水力もエネルギー密度があまり高くはないということです。定常的な電源にはなり得ますが、量的に非常に少ないといえます。さらに自然破壊という観点からも問題があります。

 

再生可能エネルギーの光と影

 

ドイツについて

 ちなみに、ドイツは再生可能エネルギーが全体の20%に達したといわれましたが、やはり頭打ちになっているというのが現状です。

 再生可能エネルギーの割合が30%前後でやっている国もいくつかありますが、国の規模としてはかなり小さく、グアテマラ、エルサルバドルなどの発展途上国です。

再生可能エネルギー大国

 デンマークのように、ヨーロッパでも小さな国は再生可能エネルギーの割合を高めることができますが、工業規模が大きくなると非常に難しいと思います。

再生可能エネルギーの光と影

 再生可能エネルギーのメリットとしてはこのようにいくつかありますが、デメリットは、出力が非常に小さいことと不安定だということです。結局は、蓄電池の開発がどうしても必要ではないかと思います。一度蓄電池に貯めたものを一定量ずつ、出し続けるということです。ただし蓄電池の値段は非常に高いのが問題です。

システムとしての考え方

 再生可能エネルギーを有効に使うためには、スマートグリッドという考え方を取り入れて進めるのが良いと思います。

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