北海道エナジートーク21 講演録

 
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エネフィーメール21
 
北海道エネルギー環境教育研究委員会

’13新春フォーラム「再生可能エネルギー」の可能性と課題
【第一部】
特別講演「再生可能エネルギーの光と影」

(4-2)

エネルギーの種類と特徴

 

 まず、循環型エネルギーについてお話しします。自然エネルギーの代表的なものは、ダムによる水力、風車による風力ですね。それに太陽があります。太陽光と太陽熱は違います。今、話題になっているのは太陽光を利用し、ソーラーパネルを使って電気を取り出す方法ですが、砂漠などでは、レンズを使って太陽熱を集めて発電する方法もあります。

エネルギー(電気)を生みだすもの

 また、自然エネルギーの中ではややマイナーですが、潮力発電があります。僕は神戸に住んでいて、家の正面に見えるのが淡路島です。近海には非常に潮の流れの強いところがあります。そういう場所に羽根車を沈め、潮の流れる力によって羽根を回して電気を起こすというのが潮力発電です。

 それから、日本には非常に多くの火山がありますが、大地の熱を利用して発電しようというのが地熱発電です。

エネルギー(電気)を生みだすもの

 また、最近話題になっているのが小水力発電です。日本には川が多いですね。川をはじめ、田んぼに水を引く小さな水路などに小型の水車を置いて発電しようというものです。

エネルギー(電気)を生みだすもの

 このほか生物エネルギーとして、バイオマス、オーランチオキトリウムなどがあります。これは藻が直接、油になるというようなもの。こうした新しいエネルギーがあり、いずれ活用できる可能性があるという話です。

エネルギー(電気)を生みだすもの

 現在エネルギー源の主流として使用されているのは、化石エネルギーの石油と石炭です。さらに発電所などでは、液化天然ガス(LNG)を主に使って電気を起こしています。

 あまり知られていないことですが、例えば天然ガスを使う発電所は、巨大なLNG運搬船で液化天然ガスを運んできても1週間ほどで一隻全部使ってしまいます。石炭火力の場合も、山のように積んである石炭が数日のうちにやはり燃料として燃やされてしまいます。そのように、石油や石炭、天然ガスを使う発電所では、膨大な量の燃料を使ってしまうというのが現実です。

 それと、関西ではここ数日間にものすごく大気が汚染されています。原因は中国から飛んでくる「PM2.5」で、北京などは年間を通して大気汚染に悩まされています。気候の影響もあり、中国4都市で約8600人の方々が亡くなっているそうです。それくらい中国の場合は大気汚染物質を多く出す石炭火力に頼っているわけです。工場や発電、あるいは車からの大気汚染物質が、気流に乗って日本まで流れてきている。そのことにより、特に西日本では大きな被害を受けています。

 次に化石エネルギーの中でも新しいものとして挙げたのは、最近よく聞くようになったシェールガス、シェールオイルです。これはアメリカで新しく出てきた燃料です。数年前までは話題にも上りませんでしたが、新技術の開発によって非常に安い価格で取り出せるようになりました。

エネルギー(電気)を生みだすもの

 オバマ大統領になってから、アメリカでは環境重視のため、大きなエネルギー政策転換が行われました。それまで原子力はストップしていたのが、新たに建設が始められました。しかしシェールガス、シェールオイルが出てきたために、原子力も含めてエネルギー政策を考え直す可能性が出てきました。おそらくここ数年で、大きな変化があるでしょう。

 アメリカは中東から大量の石油を輸入していたわけですが、それが必要なくなると、中東への依存度が減り、中東諸国に対するアメリカの興味が減っていくことになります。そうなると、どこに影響が出てくるかといえばおそらく日本でしょうね。そのように、世界の動きはエネルギー政策と大きく関係してくるわけです。

 また、北海道でも話題になっていることと思いますが、メタンハイドレートも日本海周辺で見つかっています。

エネルギー(電気)を生みだすもの

 原子力については、新しい原子炉があります。東芝が小型の高速炉を開発していて、アメリカでもうすぐ建設を始めると聞きました。また、進行波炉については、ビル・ゲイツが新しい会社を作って進めています。どちらも小型で安全な原子炉ということで話題になっています。

 もう一つは、核融合です。次世代型の原子力発電で、僕は昔、この装置の開発にかかわっていました。現在フランスで国際熱核融合実験炉(ITER)という装置を、世界の国々がお金を出しあって作っています。

エネルギー(電気)を生みだすもの

 その他の発電を紹介します。非常に小さな発電装置ですが、振動によって電気を起こす振動力発電。また、海洋温度差発電もあります。海の表面と底のほうは温度が違うので、そうした温度差を利用して電気を生み出そうという壮大な発電方法です。

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