北海道エナジートーク21 講演録

 
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北海道エネルギー環境教育研究委員会

’13新春フォーラム「再生可能エネルギー」の可能性と課題
【第一部】
特別講演「再生可能エネルギーの光と影」

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’13新春フォーラム「再生可能エネルギー」の可能性と課題【第一部】特別講演 「再生可能エネルギーの光と影」
 

作家 高嶋 哲夫 (たかしま てつお) 氏
   


作家活動とエネルギー関連著書

 こんにちは、高嶋です。僕は現在は作家として活動していますが、司会の方から紹介があったように、昔は原子力をやっていました。僕がやっていたのは今問題になっている核分裂反応によりエネルギーを取り出す原発ではなく、「核融合」という次世代型の原子力です。「地上に太陽を!」というキャッチフレーズに心おどらせて人生を捧げようと思いましたが、いつの間にか横道にそれてしまい(笑)、今はものを書く仕事をしています。

何冊読んでますか?

 これは僕が書いた本の一部ですが、読んだことのある方はいらっしゃいますか。手を挙げてくださった方、ありがとうございます(笑)。

 右上の『M8』という本は、"あのとき"のことを題材にした作品です。僕は神戸出身で、よその地域に出かけると「あのときはどうでしたか?」と尋ねられることがよくあります。"あのとき"とは、阪神・淡路大震災のことです。

 神戸というまちは、山と海にはさまれた狭い都市です。そこで6400人以上の方が亡くなり、どこを掘ってもご遺体が出てくるという状況でした。そのことを間近に見て、これは何かの形で残しておかなければダメと思って書いたのが『M8』です。これを書くにあたり、地震について調べていると「日本はすごく怖い国だな」と思いました。

 近い将来、東海・東南海・南海地震が起こりますが、そのときに怖いのが津波です。それで書き上げたのが『TSUNAMI』です。実際、書いてしばらくして起こったのが22万人以上の死者行方不明者を出した、インド洋大津波でした。

 また、『東京大洪水』は台風とそれによる洪水の話です。地震、津波、台風という自然災害をテーマで本を書いたために、専門家もどきと勘違いをされたようで、災害関係の講演をよく頼まれるようになりました(笑)。『巨大地震の日』は災害関係の新書です。

エネルギーに関する本

 今日のテーマはエネルギーです。上段右の『原発クライシス』は十数年前に書いた本です。原発がテロリストに襲われるという内容で、結構現実的な本だと評価されました。その左側にある『冥府の虜』は、プルトニウムの輸送について書いたものです。原発で一番問題になるのは使用済み核燃料ですが、フランスで処理して取り出したプルトニウムを日本に持って帰り保管地まで運ぶという核輸送も非常に難しいわけです。もしも途中でそれが奪われたらどうなるか。原発関係の小説では、こういうテーマを扱っています。

 また、中段の『風をつかまえて』の舞台は北海道で、2010年度「青少年読書感想文全国コンクール」の高校生向け課題図書に選ばれました。北海道のさびれた町の小さな鉄工所が自力で風車を作り上げるという話です。

 下段の『ペトロバグ』は、ペトロリアム(石油)とバクテリアの造語です。つまり、炭素系の物質を分解して石油に変えてしまうバクテリアが見つかったという小説です。炭素系といえば石炭ですね。石炭は世界各地に広く分布し、値段も安いものですが、かさばって扱いにくいというのが難点です。それに比べ石油は液体であり扱いやすいので、もしも石炭を石油にすることができたら、非常に便利ですね。そういうバクテリアが存在し、世界の油田地図を塗り替えるという話です。ところが、炭素系のものには人間も含まれます。人間も炭素でできているので、燃やしたら炭になる。ですから、バクテリアは人間をも分解し、オイルに変える能力を持っていたという恐ろしい小説です。

高嶋 哲夫 氏 また『ライジング・ロード』はPHP研究所のブログで昨年書いていたもので、今年3月に本になります。これは東北のある大学がソーラーカーを作る話です。ソーラーパネルを使って太陽の力だけで動かす車といっても、時速100km以上も出ます。

 もう一つは『富士山噴火』。1月から「電気新聞」で連載を始めました。あとで地熱発電の話をしますが、地熱発電のもとになるマグマの噴出という点で無理やりエネルギーに関連づけました。

 今日は本の宣伝に来たわけではないので、いよいよ本題に入ります。

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