北海道エナジートーク21 講演録

 
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エネフィーメール21
 
北海道エネルギー環境教育研究委員会

'11新春講演会『地球温暖化問題の今』
【第二部】 トークセッション〜求められる温暖化対策〜

(5-5)

原子力技術を国際交渉に生かすために

橋本  小崎先生、お待たせしました。澤先生にお聞きになりたいことがありましたらお願いします。

   

小崎  原子力の世界的な位置づけについて、先ほどのスライドをもう一度お願いします。

世界の原子力発電の現状と将来計画

 このようにいろいろな国で原子力発電の建設が計画されています。特に中国がダントツです。今は11基しか動いていませんが、それ以外に建設中・計画中が45基、できればあと80基も追加しようという構想です。そのように、日本の原子力の技術力、製造力は、今後世界で勝負できる鍵なのではないかと思いますが、澤先生、いかがでしょう。

   

 今のご質問についてですが、このスライドをご覧いただけますか。

二国間オフセット・メカニズムのイメージ

 政府はすでにこのような戦略を進めようとしています。左が日本国政府、右が途上国政府です。例えば、アスリート体型のような日本がCO2を減らすのはすごく難しいですが、中国で原子力発電を導入すれば、もっと簡単にCO2が減るわけです。

 そこで、日本がお金と原子力技術を中国に輸出する。すると中国は石炭火力を作ろうとしていたのを原子力に変えるので、その分CO2を減らすことができます。その減った分を二国間で山分けにしようというものです。日本はお金も技術力も出すのだから、お返しに削減分をクレジットとしていただく。その代わり、中国もCO2を減らす努力をする。つまり、25%削減目標を国内だけでやるのではなく、中国にその技術を輸出して、向こうで減らした分を25%の内数としてカウントしましょう、という戦略を日本はやろうとしています。これは原子力技術の輸出につながっていきます。会場の様子

 日本はこのしくみの中で一度お金を貸しますが、このお金は中国が日本からのものを買うときに、日本に還元されます。その意味では一石三鳥くらいになるという戦略です。小崎先生がお示しになった各国の原子力発電計画を、日本が一生懸命取りにいこうとしています。

   

橋本  以上で新春講演会を終わらせていただきます。澤先生、小崎先生、今日は本当にありがとうございました。

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