奥家 固定価格買取制度についてのご質問ですが、九州や東北が接続保留、特に状況が厳しいのが九州電力と報道されています。
何が起きているかというと、九州電力管内で、昨年度は4〜2月に認定を求めてきた件数が7万件でしたが、年度最後の3月に7.2万件の駆け込み申請がありました。要するに36円から32円に切り替わるタイミングの3月に、突然飛び込んできたわけです。果たしてどれぐらいの量が接続の希望があるのかわからない状態が続き、これは大変だということになりました。
なぜ大変かというと、九州電力管区内において年間でいちばん昼間の電力需要が低いゴールデンウィークが800万kWです。それについて「認定を得たので接続してください」ということで申し込みにきたのが1790万kWでした。2倍以上来たわけですね。これは、どのようにこなしていいかということで保留をかけたことがニュースになっています。

実は、北海道においても、最低需要期間の昼間で250万kWぐらいだったと思いますが、それに対して接続希望が330万kWぐらいありました。接続のしかたもいろいろなルールがあって、その一つに、「接続を認めるけれども、30日未満だとちょっと無理だから接続しないので許してくださいね」と、一般的には30日未満であれば電力会社が接続をお断りできるしくみがあります。
ところが北海道の場合は、需要量よりも供給量のほうが多い時期が出てきてしまったので、「30日以上であってもお断りすることがありますが、それでもよければ接続しましょう」という特例を設けることによって、いま北海道では九州のような大騒ぎは起きていません。
九州については、突然3月に駆け込みで大量に入ってきてしまったので、手加減をどの段階ですればいいかわからない状態で突然2倍まで達したということです。しかも、30日未満しか接続拒否ができないので、順番に皆さんから接続していただくこともできないということで保留をかけています。
この件で、いま経済産業省でワーキンググループを立ち上げています。本当にどれぐらいまで受け入れられるのか、出力抑制の30日ルールを撤廃すれば接続できるのか、さらに需要が大きい関西などに電気を送れば取り込めるのか。そういった計算をしたうえで、どれぐらい入れられるのかを検討しています。
ただ、手続きはいくつかの段階があり、経済産業省の認定を受けても、まだ融資条件の交渉をしていることが多いようです。また、電力会社から接続が許可された段階からお金を動かしているケースも多いようです。逆に、認定前にお金を使っているケースは、土地を先に買ってしまったとか、もともと土地持ちだった方が品薄状態の太陽光パネルをあわてて早めに買ってしまったケースが多いようです。こうした事業リスクをどう考えるかということだと思います。
九州については2倍の量が入ってきて、社会問題として取り上げられていますが、特に懸念されたのは、分譲住宅の屋根の上に太陽光パネルを張って、ハウスメーカーさんが売り出して、一般の方々がそれを買ったというケースです。売電による売上を含めて住宅ローンを組んでいるケースが結構あって、そうした場合は影響を受ける範囲が広いのではないかということが懸念されていました。
先日、九州電力さんが「低い電圧のものについては、保留を解除してもう一回接続申し込みを受け付けます」という形で、安心していただくような形で対応しているという状況です。
また、賦課金についてですが、初年度は42円で買い取りが決まったら20年間それを保証します。翌年度は36円で売ることができ、これも20年間保証します。実はまだ運転開始している人たちが少ないために、残念ながら賦課はどんどん上がっていきます。
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