澤
今のご質問についてですが、このスライドをご覧いただけますか。

政府はすでにこのような戦略を進めようとしています。左が日本国政府、右が途上国政府です。例えば、アスリート体型のような日本がCO2を減らすのはすごく難しいですが、中国で原子力発電を導入すれば、もっと簡単にCO2が減るわけです。
そこで、日本がお金と原子力技術を中国に輸出する。すると中国は石炭火力を作ろうとしていたのを原子力に変えるので、その分CO2を減らすことができます。その減った分を二国間で山分けにしようというものです。日本はお金も技術力も出すのだから、お返しに削減分をクレジットとしていただく。その代わり、中国もCO2を減らす努力をする。つまり、25%削減目標を国内だけでやるのではなく、中国にその技術を輸出して、向こうで減らした分を25%の内数としてカウントしましょう、という戦略を日本はやろうとしています。これは原子力技術の輸出につながっていきます。
日本はこのしくみの中で一度お金を貸しますが、このお金は中国が日本からのものを買うときに、日本に還元されます。その意味では一石三鳥くらいになるという戦略です。小崎先生がお示しになった各国の原子力発電計画を、日本が一生懸命取りにいこうとしています。
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