先日、ある電力会社の方から、原子力への意識に関する調査結果をいただいたのですが、私はそれを見てはっと嬉しくなりました。
私が北海道大学で教えていたとき、新入生を対象に「原子力に賛成か、反対か」とアンケートを取ると、10〜15%は絶対反対の意見。面白いことに、絶対賛成の意見もそれと同じくらいの割合でした。その中間にいる人たちは、状況によって賛成になったり反対になったりする、いわば浮動票です。「どんな物事でも10%ほどの人は反対する」と昔から言われていますが、これは本当のようです。ところが、先日見せてもらった調査結果では、反対が10%に対し、賛成が20%になっている。あまり変わらないように思うかもしれませんが、私には大きく変化したと感じます。反対・賛成が同じ10%なら、いままでの傾向と変わりませんが、賛成が20%になったというのが大きいのです。
加えてその理由が本物なのです。「あなたはなぜ原子力を必要だと思いますか」という問いに対して、いちばん多い理由は「安定した電源だから」が70%くらい。先ほど言いましたが、アメリカでも「安定した電源だから」という理由で原子力が復活しました。これと同じです。日本でも、ますますこのような方向に進むよう願っています。皆さま方にもぜひご協力をお願いいたします。
最後に、お別れのご挨拶をさせていただきたいと思います。私が北海道大学に勤務したのは18年前です。その当時、北海道にはまったく知人はいませんでした。原子力関係者の皆さん方と非常に温かな友達づきあいをさせていただき、私も家内も6年間の北海道生活を楽しく過ごすことができました。したがって、この新春エネルギー講演会を依頼されたときも、お役に立つのであればという気持ちで一生懸命努めてまいりました。
とはいえ、泊3号機も無事に営業運転に入りました。私もこうして10年間も同じ演題で講演を続けさせていただきましたが、すでに後期高齢者の仲間入りをしております。北海道エナジートーク21からも、これから新しい計画で原子力を推進していきたいというお話がありました。

さてこの表は、新春エネルギー講演会の入場者数を示したものです。1998年は別にして、以降はだいたい200〜400人の方々がコンスタントに来てくださいまして、会場はいつも満席でした。これまで足を運んでくださった皆さま方には心からお礼を申し上げ、この講演会を終わらせていただきたいと思います。長い間、本当にありがとうございました。
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