神津 今日はお寒い中をお集まりいただき、どうもありがとうございます。先ほどの高嶋さんのお話で、エネルギーについて全体的なことは意識共有ができたかと思います。そこで、この座談会では、再生可能エネルギーがどのぐらいの力を持っているか、それを高めていくにはどんな課題があるかについて具体的に考えていきたいと思います。
東日本大震災から丸2年になりますが、私たちのエネルギーに対する考え方はもちろん、エネルギー政策も大きく見直しをしなければならないところに突き当たっています。それでも、電気事業者の方々の努力や、産業界・国民の節電の努力によって、電気が途絶えることなく我々が生活できているということは、やはりすごいことだとしみじみ感じます。
ある途上国の方が「日本は豊かな国だ」と言われました。「原子力停止で電気が足りない分、3兆円でも4兆円でも油を買ってきて焚き増しをすればやっていける。貧乏な国なら絶対にこんな風にはいかない」とも言われました。
地球温暖化対策として、前の民主党政権下では、元首相が「日本は温室効果ガスを90年比で25%削減する」という国際公約を打ち出しました。
でも、現在これだけ原子力の代替として化石燃料を燃やしていますから、90年比25%減を達成することは現実的に難しいのではないか。かといって、皆さんの合意を得て原子力を再稼働する、あるいは新たに増やすことが可能かというと、これも難しい。3兆円、4兆円というお金を払い続けていけるかというと、経済もだんだん疲弊してくるので、これも現実的になかなか難しい。
先ほど高嶋さんから連立方程式という話がありましたが、こういう難しい方程式をどうやって私たちは解いていったらいいか。非常に難しい選択が私たちに求められていると思います。その中で、例えば原子力の位置づけをどうするか、再生可能エネルギーを増やすために何が必要か、経済をきちんと回していくにはどんなことが大切なのかなど、いろいろな観点から考えていかなくてはなりません。
そこで、今日は再生可能エネルギーにテーマを絞ってお話を進めていきたいと思います。まず内山先生に、再生可能エネルギーの現状についてご説明いただきたいと思います。
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